フォトグラファー:キセキミチコ
父親の仕事によりベルギーに生まれ、香港、フランスに移り住む。14歳で日本に帰国。マグナム写真に影響を受け、日本大学藝術学部写真学科に進み報道写真のゼミを専攻するも、音楽のパワーに魅了される。
スタジオ、アシスタントを経て独立し、ミュージシャンのポートレイト、ライブ写真、広告写真などを手掛けながら、個展、グループ展などを多数開催。数々の写真賞に入選。
2017年、日本の田舎に憧れを抱いて撮った写真集[DRYNESS]を私家版写真集として発刊。
がむしゃらに階段を駆け上っていく中で葛藤と闘い、新たに自分を見つめるため幼少期育った香港を訪れる。人々の生きるパワーに圧倒され、彼らの姿を撮るべく2019年7月、長期滞在ロケのため渡航。そこで香港民主化運動に遭遇し、間違ったことに声をあげる人々の戦いに心が震え、泣きながら最前線で写真を撮り続ける。2021年、第4回写真出版賞大賞受賞。2022年2月「VOICE香港2019」を刊行。写真家として改めてスタートラインに立つ。
「自分の気持ちに正直に写真を撮る」を信条に、写真と向き合っている。
ダブル・トーキョーとは。
きかっけは新型コロナによるパンデミックだった。
2020年、何も動けない日々が続く中、ようやく動き出そうと思った時、今まで向き合ったことがなかった東京の日々の変貌を一枚に収めてみようと思った。テクテク歩きながら撮った撮影済みの35mmフィルムをもう一度CONTAX T2に装填する。
一つのコマに詰まる日々のトーキョー。それは「意図せぬ日々の重なり」となった。
今まで当たり前のように変わらぬ日々が来ると思っていたのに、一日で日常から非日常へ世界が一変する。それはコロナがもたらしたものだけではなく、以前から世界の至る所で起こっていた事なのだ。このパンデミックを経験した私達は、苦しみの中で多くの事を感じ、未来を模索した。大切なことは何か、改めて未来の自分達の為にも「考えること」を忘れないでいたい。
不安定な日々を一枚の写真に収めるべく、多重露光によるストリートスナップとした。写真とは不思議なもので、無作為の中にも感情が写し出されたように思う。
私の目に写った「ダブル・トーキョー」
[ ダブル・トーキョー ]
SIZE:45cmx45cm
DOUBLE FACE PRINT, SPECIAL PROCESSING, BOTH A SIDES,
Brushable, fashionable, interior decoration.
POLYESTER,NYLON ( This product can be washed and used many times. )